和さまは、娘時代、中隊長と呼ばれていた活発なひと、和さまに年の近い、いちばん年上の姪(つまり私のいとこ)は小隊長格のアタマのいい、決断力のある女。彼女がアレンジして、叔母と姪たちでときどきランチを共にしていたのに、私も加わるようになって一年。ある日娘が言った。
「アミも行きたいな、叔母ちゃまたちにお会いして、お話したいから」
「いいアイディアだわ。叔母ちゃまに伺ってみるわね」
叔母は「もちろんいらっしゃい」と二つ返事。
こうして、叔母、姪に加えて、もひとつ下のジェネレーションが加わる小さな昼食会に発展した。そのうちにまた私は気づいて、小隊長に提案した。
「姪に限らなくてもいいんじゃない? 甥にも声をかけて、ファミリーでもっと顔を見るようにしたらどうかしら?」
「それ、とってもいいわ」いとこは賛成した。「オトコたちもリタイアしてるから、気が向けばくるわよ」
「強制力や義理なしで、来たい人だけくる、面倒な人は来ない、自由な集まりを強調しましょうね」
そんなわけで気楽な会は、回を追うに従って、男の参加が増えた。子供時代からほとんど会っていなかった、年の離れたいとこも来るようになって、意外と面白い男だという発見をしたり、収穫は大きい。チャンスをつくれば、ファミリーはくじゃくの羽みたいに広がる。親類の個々のひとのキャラクターがわかって親しくなるのは、野原を歩いて、きれいな花や、変わった木の実を拾うようなものだ。まず野原を散策しなくちゃ、発見もない。
「よかったわね。こんな風に広がって」
いつのまにか、新年にしゃれたレストランで、おいしくてリーズナブルな会費で、一族で集まることも恒例になった。それも、お葬式での発見がきっかけだ。とはいっても、小さな砂利できしんだこともある。アミが初めて参加したとき、姉に言われた。
「ほんとはアミが来るのはおかしいのよ。叔母と姪の会でしょ、アミは姪の子供だから、序列からいうと違うのよ。うちの子供たちも来ていないでしょ」
「序列なんて関係ないわ。来たいから来る、でいいんじゃない? 来ない人は来る意志がないから来ないのよ」同じファミリーにもこんな考え方があるのかと、私は驚いた。
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