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今から二千二百年ほど前、秦の始皇帝の命を受け徐福という男が「不老不死の薬」を求めて「蓬莱の島」を探して就航した、という話は有名ですが、健康こそ人類の永遠のテーマであり、いかに裕福な人でも健康でなければ、楽しい生活を送ることはできません。しかし、現実は高齢化が進み病気になる人は増え続け、国家予算に占める医療費の割合は莫大なものになっています。

特に三大疾患のひとつ、ガン患者は年々増え続け、原因の解明や治療法は進んでいますが、いまだ確立されていません。

その中で、免疫力の低下が病気になる大きな要因の一つといわれています。そのため免疫力の強化こそ健康を保つ秘訣の一つであると思います。

人間の免疫力、自然治癒力を研究し、病気に立ち向かうためのメンタルケア、医師へのサポートをするNPO団体があります。

その団体から先日思いがけない話がありました。私の作る「粟國の塩」と「にがり」を今後医療の現場で活用することを考えて紹介してみないかという依頼があったのです。


三十数年前、「塩で世界中の人を健康にしたい」という考えのもと三人の学者と共に研究を始め、その大きな目標を受け継いできましたが、その信念を貫くための新しい一歩を踏み出すことができる喜びを感じています。

塩は病気を治すための薬というよりは、「病気にならないための免疫力の強化」のために、また「予防医学」という観点からお役に立てればと考えています。世界的健康ブームのもとサプリメントが大量に出回り、多くの方が日々大量に摂取しています。これらは化学的な合成成分がほとんどで、人間の組成に近いものはほとんどありません。また、摂取し過ぎる傾向にあり、これではかえって体に負担をかけ健康を失ってしまいます。さらに、いささか行き過ぎではないかと思うほど大量の薬を渡す病院もあります。

病気にならない体づくりには自然治癒力を高めるための日常の食事が大切であり、自然のものをいかに上手に摂るかが重要だと考えています。

塩に限らず食材の製造者もただ売ることだけを考え、本来人を健康で幸せにするということを見失っているのではないでしょうか。

三人の学者から受け継いだ「本来人間にとって大切なことは何か」という考えを受け継ぎ、実現させていく上でも、今回の依頼には喜びと同時に責任の大きさを強く感じています。



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