No.231





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●葉付き大根の葉を店頭でわざわざ千切って(備え付けの段ボール箱に)投げ捨てて行く人がいる。儂なんぞはその葉っぱが大好物だから、むしろ白くて太い根っ子の方を捨てて(ホントは捨てたりしないけど)帰りたいくらいだ。セロリに関しても、儂はその茎よりも葉っぱの方を好んで利用している。四人の女山賊に訊いてみた。二人は「勿体ないから工夫して使うわよ」と答え、あとの二人は「う〜ん」と返事がすこし曖昧になった。葉っぱが茎の部分と比べて、ちょっと蔑ろにされている感じは否めない。

▲儂も初めは茎の生食がメインで、葉っぱは西洋出しに利用するぐらいにしか考えていなかった。ある日、ビールの摘まみ探しで冷蔵庫を覗き、残っていたセロリの葉と竹輪を取り出して、醤油+牡蛎ソースでさっと炒めた。これがソコソコ面白い。「な〜んだ、葉っぱも食えるじゃねーか」と改めて悟った。以来、和え物にも炒め物にも、はたまたスープや味噌汁にまで、葉の部分を積極的に利用するようになった。体調の芳しくない時など、何故かセロリが(特に葉っぱが)恋しくなる。芹科特有の強烈な香りが面白いのだ。

■俎の上でセロリの葉を細かく刻んで、しばし陶酔感に浸る。「さて、これをどうしよう……」。儂は咄嗟に作りかけのカレーの中に放り込んだ。すごーく変かも知れないけれど、儂はそのさっぱり感を「面白い!」と思った。その後はセロリだけのカレーの他に、例えばカリフラワーや牛海老や鱸や……つまりいろんなカレーに大量のセロリの葉をぶち込んでみた。なんだかんだ言っても、単純に、儂はあの独特の芳香が好きなんですよ――山崎さん。

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