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今年の夏は殊のほか酷暑でした。夏バテを予防し、早めに夏バテを解消するための暑気払いには瓜類に限ります。瓜類は体の熱を取るといわれます。琉球は大航海時代アジア諸国との交流を通して食文化も様々な影響を受けています。中国では「薬食同源」、沖縄では「医食同源」といいます。薬も食べ物もルーツは同じです。チャンプール料理はインドネシアではチャンポーロといいます。「薬」という字は草冠に楽になると書きます。野菜を食べることにより、楽になり楽しくなり、食生活を楽しみ、人生を楽しむことです。薬材も食材も上手にあつかって、健康で、病を予防し、心身健やかな日々が送れるよう、努めることが肝心なのです。

沖縄では夏になると、ゴーヤー、ナーベーラー、シブイが庭に植えられます。天の恵みの御三家を頂き、暑さに負けない丈夫な体を維持するためです。いまでこそ、ゴーヤーが沖縄ブームの恩恵で全国を席巻しておりますが、かっては、細々と植えていた地方野菜でした。流通革命により本土の葉野菜がスーパーで買えますが、一昔前までは、暑い時季になると、葉野菜が極めてすくなくなり、ゴーヤー、ナーベーラー、シブイ、キウリなどの瓜類が夏の食材でした。それこそはまた暑い夏を生き抜く先人の智慧でもありました。

ナーベーラー(ヘチマ)料理の話をいたしましょう。ナーベーラーの原産地はインド。ナーベーラーには清熱解毒の作用があります。その柔らかい果肉には、タンパク質、ビタミンB、C、脂肪が多く含まれています。

沖縄では、ヘチマをタワシにして使うためには植えません。夏野菜として、食材の一部なのです。花がまだ付いた若いナーベーラーを食べます。

◆作り方
1.皮を包丁の背でこそぎ、斜めの厚い輪切りにいたします。
2.以前はラード、今はオリーブ油かサラダ油をフライパンに引き、肉をいためます。
3.ナーベーラーを入れ、塩胡椒をし、豆腐と共に炒めます。一適の水も加えませんが、甘い煮汁が出てきます。沖縄ではそれを、自出汁(ドウジル)と申します。旨味成分がとけ込んで、絶妙なうまい味になります。
4.味噌、酒、ミリンを入れ落し蓋をします。
5.とき卵を入れます。
6.ナーベーラーチャンプール、ナーベーラーンブシーの出来上がりです。

◆アレンジ料理
1.皮を包丁の背でこそぎ、塩もみする。種を取り、茹でて氷水に入れ、薄口八方汁につける。千に切って吸い物として楽しめます。
2.ゴマダレで、マヨネーズも楽しめます。
ゴーヤー料理、シブイ料理については次号にてご紹介したいと思います。


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