今月、表紙でご紹介するのは、雪国会津の上菓子司《会津葵》の『酒蔵羊羹(さかぐらようかん)』。昭和30年代に、同店の初代が創製した「酒蔵羊羹」を約半世紀を経て復刻したもの。

白小豆のこし餡をベースに、酒蔵どころ会津の酒蔵から選んだ酒粕を合わせて練り上げた羊羹である。色は美しい琥珀色、酒粕の酸味を帯びたほのかな香りと、まろやかでほどよい甘みがある。丸味と独特の香りを感じるのは、隠し味として洋酒を少々加えているからという。酒の香りの羊羹をぜひお試しいただきたい。

《会津葵》は、会津藩御用の茶問屋二字屋治郎左衛門の系譜を持つ異色の創作菓子で知られる。『かすてあん会津葵』、求肥のお菓子『あかべこ』、小豆餡を石衣で包んだ縁起菓子『小法師(こぼし)』、千小庵の奇跡『麟閣(りんかく)』など同店の秘法から生まれた変化に富んだ創作菓子が楽しめる。

■上菓子司 会津葵 会津若松市追手町4-18
TEL.0120-26-7010