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私の塩工場は、那覇から60キロほどの粟国島にありますが、塩を煮詰める釜炊き作業は、夏は灼熱地獄です。毎年、夏の暑さは厳しくなっているように感じます。今年も、熱中症や体調を崩される方が多かったようです。その原因は様々ですが、そのひとつは、屋外の暑さと室内空調による温度差で、体温調節をつかさどる自律神経が変調することです。また、冷たいものの摂り過ぎは、急激に体を冷やし、胃腸を弱らせ消化不良を起こします。さらに女性の無理なダイエットも、栄養不足を起こし暑さに負けてしまいます。

しかし、夏バテの最大の要因は、大量の汗と一緒に放出されてしまう体内ミネラルの減少です。
我々の体は、数多くのミネラルの働きにより、生命活動と健康が維持されています。ミネラルが不足したり、バランスが崩れると体調に大きな影響を及ぼします。人にとってミネラルは必要不可欠なものなのです。

例えば、マグネシウムの減少は、栄養の吸収を悪くするだけでなく、心臓や筋肉の機能を低下させます。カリウムの減少は、筋肉の運動が低下し、自律神経に障害を起こし、カルシウムの減少は、脳や神経の働きを低下させます。その他、亜鉛、マンガン、鉄、リンなど多くの微量ミネラルも体の様々な部分の生命活動に関わっていて、微量であれ不足すると様々な体の不調が現れます。

今日、スポーツドリンクといわれるミネラル補給飲料が数多く売られていて、いつでも、どこでも飲むことが出来ます。
確かに、水分やミネラルの補給には適していますが、必要以上の糖分まで吸収しかねません。糖分の摂り過ぎは血糖値を下げ、自律神経の働きを低下させ、さらに肥満の要因にもなります。

それでは、体にやさしいミネラル補給法をご紹介します。
100グラムの水に対して0.5グラムの塩を溶かし、「にがり」を二、三滴加えてオリジナルのミネラルウオーターを作って下さい。塩分濃度0.5〜1%は人体の塩分濃度と同じため、体に吸収されやすくなります。
ただし、どのような塩でもいいわけではありません。今、多くの種類の塩がスーパーなどの棚に並んでいますが、ミネラル分が20%ぐらい含まれている自然海塩が良いと思います。海水に含まれるミネラルの種類とバランスは、人の体液とほとんど同じだからです。

灼熱の中で働く塩工場の職人も、水分とミネラルを補給しながら作業をします。
さあ、スポーツ、行楽の秋。オリジナル・ミネラルウオーターでミネラルの補給をお忘れなく。

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