したがって、モチツキが終わると僕も女房殿もぐったり、こうなると正月を晴れやかに迎えることなど無理というもの。そこで、もうお相撲さんを呼ぶのは止めよう、しんどくても我々だけで何とかしよう、ということになり規模を縮小した。数年は、いい状態が続き、平和なモチツキと健全な正月が迎えられた、と言ってよいだろう。が、長男と次男が相次いで結婚して家を出てしまうと、モチツキの準備が出来なくなってしまった。数人の友人が手伝いに来てはくれるものの、前日と当日と翌日の三日間はお願いし難い。となると、夫婦二人でことを解決せねばならない。とは申せもう若くはない、よい正月を迎えるには年末に無理をしてはならない。こう結論を出し、二十年続いたモチツキを一旦止めることにした。いつの日か、息子達が再開するのではあるまいか。そう願い、道具はそのまま保管しておくがよかろう……。
|