さて、唐辛子というとさぞかし辛いのであろう、と思われがちだがさに在らず。からーいものもあればあまーいものもあり、これを確かめる作業が愉快なのである。大体女房殿と一緒に行うのだが、互いに一喜一憂の繰り返し。真っ赤な顔をして汗をだらだらと流したり、涼しい顔をしてにこやかに微笑んだり。他人が御覧になったら、何と愚かな夫婦と思われるのだろう。この試食会だけは、非公開にしておかねばなるまい。
てな具合で、味見を終えてからオリーブオイルに漬け込んだり、酢漬けにしたりはたまた乾燥して料理に用いたり、その用途を考えるだけで楽しくなるのだが、韓国料理のキムチに用いる唐辛子だけは、韓国を訪れた時に購入することにしている。何故かと言うと、白菜を一樽(五、六個)漬け込むのに、少なくとも三種類の唐辛子を二、三キロ用意しなくてはならない。
|