数年来の健康食ブームで、すっかりお馴染みになったゴーヤチャンプルだが、人気の理由はそれだけではない。地球の天井が壊れてしまったかのような近頃の夏の暑さは、いままでの常備菜という感覚を捨てざるをえない状況を家庭の台所にもたらした。和え物や煮物はあぶない、油で炒めるか揚げ物なら安心だ。加えて夏ばて対策を考えると、ゴーヤチャンプルは救世主のように思える。しかし「体に良い」と言っても成分は? 何が、何に効くのか? ということは意外に知らない。折角食べるなら、効率よく美味しく食べたい、と調べ始めたらこれが、面白い。

原産の熱帯アジア、中国などでは薬用植物として利用され、近年では科学的研究も進んでいる。その薬効をあげてみると……血圧安定、血糖値降下、リウマチ、痛風、健胃、鎮咳、解熱、利尿、滋養強壮、抗酸化作用、下痢、熱射病……成分を調べてみれば納得の凄さ! 多く含まれているビタミンCは熱に強く調理してもしっかり摂れる。

長寿の島沖縄には、本土の寒い冬にも向いた料理もたくさんある。ンブシーは、野菜と豆腐を味噌味で煮込んだ家庭料理の代表格。

出汁を効かせて、汁ごと食べられるほど薄味に仕上げるのでヘルシーだ。夏には若いうちに収穫したヘチマ(ナーベラー)ンブシーが人気だが、冬は大根・昆布・豆腐を豚とカツオの出汁で煮込んだものが最高だ。豚の三枚肉を塊のまま、脂を丹念に取りながら茹で、その茹で汁にカツオ節を加えて出汁をとる。茹でた肉は甘辛く煮付けて一品にし、その煮汁でゴボウを煮る。豚の出汁が昆布を柔らかくし旨味を引き出す。三品目のゴボウの味は、言うまでもない。豚とカツオの出汁を使ったニラぞうすい(チリビラージューシー)も絶品だ。茹で豚の切れ端とニラをたっぷり入れれば風邪の予防にもなる。具をさつまいもと青菜にすれば、繊維質も摂れて健康的なダイエットにも効果的。沖縄料理で寒い冬を元気に乗り切ろう。


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