●古都ウラジミール、スズダリヘ
翌11日夕方、モスクワ・クールスカヤ駅から東へ190キロの古都ウラジミールへ。時刻表によれば、この駅からシベリア鉄道経由ウラジオストク、バム鉄道コムソモーリスク・ナ・アムーレ行きの列車も出ているようです。目の前の鉄路が日本海沿岸の都市まで続いているのかといたく感動しました。ロシアにも電車特急の時代が訪れていました。2時間30分、森と原野と小さな村落がちらちら見える、夕暮れ迫るロシアの大地を東へひたすら駆け抜けました。ロシアは広い。
翌12日、快晴のウラジミール。午前中12世紀建立のポクロフ・ナ・ネリル教会へ。バスから降りて2キロ、紺碧の空に高々と聳えたつ白樺林の列を左に見、地平線まで広がる原野をそぞろ歩きました。森も原野も黄金色に輝きわたり、この時期ロシアは「黄金の秋」真只中でした。ロシア建築の白鳥といわれる白亜の愛らしい教会は、20年前には小さな湖の中に建っていましたが、今回は渇水期のせいか歩いて辿りつき、お祈りのロウソクを捧げました。
午後はウラジミールから35キロ北のスズダリへ。途中はどこまでも地平線、50近くの修道院や教会はいずれも13世紀前後の建立といわれ、街中が名所旧跡の古都。たくさんの鐘を一度に打ち鳴らすイベントが毎日行われ、天空の彼方に消えてゆく音楽のような鐘の音に一同聞きほれました。
昼食はレストラン「トラクチル」、ここの女性コック長はモスクワの料理コンテストでグランプリを獲った名コック。
◆燻製蝶鮫とバターのオープンサンド ◆薄肉と野菜盛合せサラダ ◆つぼ入りペリメニ(ロシア餃子) ◆シー、キャベツ他数種野菜入りのスープ ◆牛肉とジャガイモのつぼ焼料理 ◆皇帝のブリヌイ(クレープ)イクラ入り ◆黒パン、コーヒー、ウォトカ、ワイン
荒削りな家庭料理の風格も併せもった楽しいテーブル。コック長に感謝。
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