カステラが日本に伝播した歴史は古く、元亀2年(1571)から長崎に居着いたポルトガル人により、製法が伝授された。語源となったのはスペインの古王国“カスティーリャ”であり、同国のパンとして紹介され、後に初めてスペイン人が来日した際には、既に日本でカステラが作られていたという。

《松翁軒》は天和元年(1681)、初代山口屋貞助により開業。以来、日本人の口に合うように研究を重ね、“口に含めばトロリと溶ける、口あたりの柔らかさ”という、長崎カステラの特徴を作り上げた元祖である。

オーソドックスなカステラの他、明治時代に八代目当主が創製した、チョコレート風味溢れる『チョコラーテ』、気品ある香りの『抹茶カステラ』、新鮮なミルクと二種のチーズを加えた『オランダチーズカステラ』も人気。また『栗豊穣』『茶庵』『白露』と名付けた和風カステラや季節限定品などもある。

300年以上愛されてきた長崎銘菓である。

■写真提供:《松翁軒》
長崎県長崎市魚の町3-19
TEL.0120-150-750






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