「甚句かれい」は地元岩室の間瀬ヶ浜での呼び名で学名は「マコカレイ」。沢山揚がるので、有名な岩室甚句にちなんでそう呼ばれるのだろうか。

調理法はいたってシンプルだが、おろしには少しコツがいる。鱗を取った後、臓は取り水洗いし、鰭や縁側を残し、開いて中骨だけを取り去る。

若干の塩をして小麦粉をつけ、から揚げの要領で油で揚げる。長ねぎや赤唐辛子入りの大根おろしを薬味とし、天ぷらの汁のあつあつを上からかける。旬の山野菜の天ぷらや木綿漉しの豆腐の揚げ出しなどを添えてもよい。

この料理は七代目館主・榮松が創作したもので、この魚の美味しい部位を知り尽くし、それを生かした料理である。野趣に欠けがちな懐石料理に地方色とダイナミックさを演出している。

■写真提供:綿綿亭綿屋
新潟県西蒲原郡岩室村岩室581
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