京都土産の定番と言えば「八ツ橋」、そして八ツ橋と言えば《聖護院八ツ橋総本店》。元禄二年(1689)の創業以来作り続けられている銘菓「聖護院八ツ橋」だが、「生八ツ橋」の歴史は意外と新しく、つぶあん入り生八ツ橋「聖」が創製されたのは昭和三十五年のことである。その後万博(1970)を機に爆発的な人気を博すようになった。昨今では、消費者の嗜好の変化、また交通機関の発達で手土産が可能になったことと、宅配便の普及も追い風となり、“生”が八ツ橋の生産量の七割を占めるという。

蒸した粳米に液体ニッキ、上白糖を混ぜあわせた生地であんを包み、表面に香り付けのきな粉をまぶす。近年では季節変わりのあんを使った「旬菓・聖」も開発され、春から桜、新茶、梅、芋、栗、柚子の六種類がある。

これからが観光シーズン真っ盛りの京都。八ツ橋一筋の名店の逸品を、旅の想い出に。

■写真提供:聖護院八ツ橋総本店
《聖護院八ツ橋総本店》
京都市左京区聖護院山王町6
TEL.075-761-5151






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