フレッシュバターの香り高い、函館の名物せんべい『元祖 山親爺』で知られる《千秋庵総本家》の、端午の節句に合わせた季節菓子が、この『べこ餅』である。

その名称は“べっこう細工”から発祥したともいわれ、砂糖が入った餅と黒砂糖だけが入った餅を組み合わせ、小口切りにして仕上げた素朴な一品である。古くから北海道に伝わる菓子で、四月中旬〜六月までの発売期間中は、本州方面からの予約注文も多いという。

同店は万延元年(1860)の創業。道内には《千秋庵》の名を掲げる菓子店が多々あるが、いずれもここ函館の《千秋庵総本家》からの暖簾分けである。スキーを履いた熊が鮭を背負っているユーモラスな浮き彫りで知られる『元祖 山親爺』、原料と製法に徹底的にこだわった『どら焼き』、ハリストス正教会の鐘をモチーフにしたサブレー『がんがん寺』など、地元にこだわり菓子を作り続けている老舗銘菓店である。

■写真提供:《千秋庵総本家》
函館市宝来町9-9
TEL.0138-23-5131(代)






戻る