京都土産の定番、銘菓『聖護院八ツ橋』。
聖護院の森・黒谷に祀られた、近代箏曲の開祖とされる八橋検校に因み、琴をかたどった干菓子を作ったのが始まりである。《聖護院八ツ橋総本店》は元禄二年(1689)の創業以来、八ツ橋一筋の名菓子舗である。

同店の八ツ橋定義は、「原料に米を使い、ニッキ(桂皮)の風味づけをしたもの」。製法は、まず米粉を熱湯で練って蒸し上げ、三温糖、桂皮末、芥子を混ぜて捏ね合わせ団子にする。次にローラーで薄く延ばし、きな粉を両面に振るが、これにより香りが付き、焼く際の熱で生地を焦げ付かさない役目を果たす。数枚を重ね定規をあて切り離し、鉄板に並べ厚い木で押さえ、順々に送りながら焼き上げ、筝の形に整えて出来上がる。

近年は、つぶ餡入り生八ツ橋の『聖(ひじり)』が一番人気。他に、こし餡入り饅頭『聖護院饅頭』、新しい八ツ橋『カネール』、季節の素材を生かした餡を生八ツ橋の生地で包んだ『旬菓』など、多彩な味を楽しむことができる。
写真提供:《聖護院八ツ橋総本店》
京都市左京区聖護院山王町6 TEL.075-761-5151(代)