近年の全国的な地域ブランド推進の流れで、平成18年より金沢港に水揚げされる良質な地物のずわい蟹を「加能蟹」と呼ぶようになった。また、メスは日本海の香りが詰まっているからと「香箱蟹」とも呼ばれ、金沢が一番うまいと地元でも人気の冬の味覚である。

例年11月に解禁されるずわい蟹漁は3月20日までだが、香箱蟹は産卵するメスを保護するため1月上旬までと漁期がとても短い。香箱蟹はオスに比べ小さいが、上品で淡白な中にも甘みがある。中でも甲羅の内側の内子はコクがあり、外子と呼ばれる腹に抱えた卵はシャリシャリとした食感が絶品である。さらに、濃厚な風味の蟹味噌も楽しめる。

金沢の奥座敷といわれる辰口温泉にある《旅亭 萬葉》は2,000坪の敷地に全10室、ひっそりとたたずむ大人の隠れ家。日本海、白山麓、加賀平野の山海の旬の食材を季節の風情と共に楽しめる。冬には期間限定(11月上旬から1月31日)で、この香箱蟹のすべてを優雅に堪能できる。

写真はその香箱蟹の甲羅を器に見立て、外子と内子、蟹脚を盛り付けた贅沢な一品。

写真提供:《旅亭 萬葉》
能美市緑が丘5-31-40 TEL.0761-51-5111(代)