輪島市街から東へ4キロほど、ねぶた温泉の一軒宿が《海游 能登の庄》である。「漆と和紙と畳の調和」をテーマとした館内は全館畳廊下で、輪島塗の伝統工芸品や家具、能登の四季折々の草花が配されている。

ねぶた温泉は、「寝豚」と書くように弘法大師が能登巡錫の折、傷ついた豚(猪)が湯だまりに寝転んで身体を癒している姿を見、その効力を察したということからその名がついたという。温泉は高質アルカリ性泉質である。

能登は、自然に恵まれた旬の山海の食材が豊富である。特に秋から冬にかけては、ズワイガニ、ブリ、タラ、アンコウ、カキ、ナマコ、岩ノリなど、海の美味を堪能できる。

表紙は山海の素材を吟味し、彩り美しく、格調高く盛り付けた「祝膳」である。祝膳は、お正月、長寿の祝、結納の祝、ひな祭りなどハレ日の慶びの席を格調高く演出する料理。盛られる器は、地元の名産「輪島塗」である。繊細で美しい漆の肌は口縁のタッチとあいまって、祝膳の料理の風味を一層華やかなものにする。冬の輪島の山海の幸を、格調高い輪島塗の器で楽しもう。

■写真提供:《海游 能登の庄》輪島市大野町ねぶた温泉
TEL.0768-22-0213