異国情緒豊かな長崎。その中心部の小高い丘の上に、多くの文人たちに愛された純和風の老舗旅館《坂本屋》がある。

卓袱(しっぽく)といえば坂本屋といわれるほどであるが、もうひとつの坂本屋名物に、夏の風物詩「鱧(はも)しゃぶ」がある。

「鱧は梅雨の水を飲んでからが美味しい」といわれ、産卵のために岸による真夏が旬。6月に入ると坂本屋も鱧の季節の到来となる。鱧は白身でやわらかい肉質だが、脂質が多く濃厚な風味がある。小骨が多いため骨切りされてから調理される。鱧しゃぶ、湯引き、焼物、揚げ物、椀種など贅沢な鱧づくしの料理が堪能できる。

長崎漁港の鱧の陸揚げ量は日本一であるが、鱧祭りといわれる祇園祭が行われる京都に大半が送られ、県内に出回る数は少ないという。しかし、地場で食べるのが新鮮で美味しい。鱧料理の期間は、6月1日から8月31日まで。この期間にぜひ鱧料理をお楽しみいただきたい。「鱧しゃぶ会席」はお1人様5,250円(税込)。

《坂本屋》TEL.0120-26-8210
長崎市金屋町2-13