東京・銀座のガス灯通りにある洋食店《煉瓦亭》は、明治28年創業というから、今から117年前にフランス料理を日本人の口に合うように創意工夫し、日本独特の「洋食」というジャンルを作り出し、確立してきたことで知られる。
「ポークカツレツ」は当時から変わらない看板メニューであるが、この「エビフライ」も明治30年代にはメニューにのっていたそうである。
日本各地から厳選された、ふっくらとした大振りな海老に、おろし金でおろした生パン粉を付け、サラダオイルにラードをあわせたという煉瓦亭オリジナルの調理法で、火加減に細心の注意を払って揚げられる。三本の海老フライに、コールスローサラダ、レモンと自家製のタルタルソースが添えられている。
口に入れると、衣のサクッとした軽い感触と香ばしさが、衣の中は海老独特の食感で甘さが口に広がる。ぜひ味わってみたい洋食のひとつである。
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