初夏、五月の天候は、初旬は五月晴れ、末は走り梅雨と移ろいが早く、旬の食材選びはなかなか手間です。緑の上を渡る匂うような爽やかな風を薫風と申しますが、「薫風に寄せて」という題で三皿を揃えました。奥の平皿には、横須賀で上がったマコガレイの薄づくり、勝浦で上がった初ガツオ、大阪湾のトリガイ、徳島県のアオリイカのお造り、それに宮城県のウニを添え、向かって左側の皿には、蒸アワビとジュンサイとウドの白煮の酢の物、右側の六角鉢は、アイナメの木の芽焼と山クラゲの煎り煮です。爽やかな風の香りと味を感じて頂ければ幸いです。(村松喜久夫料理長)

《赤坂とゝや魚新》は、明治23年鮮魚店として始まり、仕出し屋を経て日本料理屋となった。開店以来32年、伝統的な日本料理と独自の創作を織り混ぜた日本料理が楽しめる名店である。

《赤坂とゝや魚新》港区赤坂5-1-34
TEL.03-3585-4701