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鎌倉土産として知られる「鳩サブレー」。《豊島屋》の創業間もない明治30年ごろ、初代・久保田久次郎氏の創製である。当時、鎌倉に逗留していた異人さんから頂いたビスケットから着想し、苦心惨憺（くしんさんたん）のあげくに完成させた。
試作品を欧州航路から帰朝した友達の船長さんに食べてもらったところ「おや？久さんコイツはワシがフランスで食ったサブレーちゅう菓子に似とるゾ」と言われ、初めて「サブレー」という名前を知った初代は、「三郎」との類似を感じ、この語呂に親しみを抱いた。そしてサブレー＝三郎の語呂合わせが初代の頭に焼きつけられた。さらに鶴岡八幡宮を崇敬していた初代は、八幡宮の「鳩」をモチーフに、いずれ何かを創ろうと考えていたので、「鳩サブレー」（鳩三郎）という名前になったという。多くの人に親しまれているネーミングのいきさつである。
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