長野県小布施に本店を置く《竹風堂》は明治26年創業。地元小布施の優良な栗を使い、栗本来の美味しさを追求している栗菓子専門店である。

表紙「華厳妙韻」は、選り抜きの名産栗を裏ごしした、絹のように滑らかな栗あんと、一つひとつ手むきした蜜漬栗が混然一体、技のかぎりを尽くしてじっくり煉りあげた純栗菓。例年新栗が出る11月発売、厳選の材料ゆえ数が限られる一棹である。

菓名の「華厳妙韻」は昭和47年5月、棟方志功画伯夫妻がスケッチ旅行の途次に来店の折、即席で揮毫(きごう)されたものの主題から。書は東大寺二〇八世管長清水公照師による。その意は「沢山の修行を積まれて得られた仏陀のさとりの世界、聞こえてくる妙なる音の調べの、何とも言いようがなく素晴らしいことよ」と受けとめているという。

自分へのご褒美に、違いのわかる方への贈り物に…。名実そなわった栗粒入り栗ようかんの決定版である。

■竹風堂
〈本店〉長野県上高井郡小布施町973 tel.0120-079-210