弘化元年(1844)、奈良県三輪に創業した菓子舗《白玉屋榮壽》の名物『みむろ』最中である。命名は、同舗が守護神と崇める三輪明神大神神社の御神体山、三諸山(みむろやま/三輪山)に因む。なお扱いはこの『みむろ』のみ、最中一筋の銘菓子舗である。

主原料は、皮が薄く大粒が特徴の大納言小豆(だいなごんあずき)と、精製度が高くさらっと後味の良い甘味を持つ白双糖(しろざらとう)、そして吟味したもち米。機械化は最小限にとどめ、伝統的な製法で手作りしている。また餡は、こし餡、粒餡を別々に作り、それぞれの良さを生かすため最終段階で混ぜ合わせて仕上げる。大小二種類あり、写真の小さい方は戦後まもなく、お客様が求めやすいようにと考案され、量も値段もちょうど半分である。

皮と餡が醸し出す香ばしく芳醇な風味と、日持ちの良さ。贈答、茶事に、この格別の風味をぜひどうぞ。

白玉屋榮壽
奈良県桜井市三輪660-1 TEL.0744-43-3668