料亭旅館《坂本屋》は明治27年(1894)の創業。唐人より伝えられた接客料理に、日本、中国、スペイン、ポルトガルのアレンジを加えた『長崎卓袱(しっぽく)』に、同地の宿として初めて取り組み、大評判となった。中でも、豚の角煮『東坡肉(トンポーロー)』を日本人の味覚に合わせた『東坡煮(とうばに)』は、卓袱料理の代表的な一品で、中国の詩人・蘇東坡(そとうば)が愛したことから名が付けられ、銘産品となっている。

表紙の『角煮めし』は、この東坡煮の煮汁で県産のコシヒカリ、もち米、人参、牛蒡(ごぼう)、椎茸を炊き、美しい照りを放つ東坡煮をのせ、竹皮でくるんで蒸したもの。同家秘伝の醤油だれで炊き込んだご飯と具材の旨味が絶品。美味をそのまま閉じ込めた冷凍便の発送もあり、贈答には勿論、いつもの食卓で長崎の異国情緒に思いをはせるのも楽しい。

料亭旅館 坂本屋
長崎市金屋町2-13 TEL.0120-26-8210