福島は会津若松、名城で知られる鶴ヶ城のほど近く、蔵づくりの菓子舗《上菓子司 会津葵》の『会津打ち菓子・小梅』である。

純和三盆糖に会津産特上の白蕎麦粉を配し、紅花から抽出した本紅で色をとり、木型に詰めて打ち出した蕎麦落雁。千利休の女婿・千少庵に系譜を求める会津茶道の微かなる世界を再現した伝統の干菓子である。

五弁の梅の花びらをかたどり、中心に雅な九重をあしらった紅白の小梅は、今にも崩れそうなほど繊細で愛らしい。口に含むとサラッと優しい甘さと高貴な香りが広がる。ひとつずつ薄い和紙に包まれ、八角形のおしゃれな小箱に納められている。

中国から遣唐使によってもたらされ、はるか昔からめでたい縁起物として日本人に親しまれてきた梅の花。贈り物にも喜ばれること間違いなしの会津の逸品である。

上菓子司 会津葵
会津若松市追手町4-18(本店) TEL.0120-26-7010