京のおせん処《田丸弥》は江戸時代まで丹波で旅籠を営んでおり自家製の菓子で旅人をもてなしたのが菓子作りの始まりという。

名菓「白川路」は菓祖・藤原政重が空海さまから伝授されたと伝わる技法を今に生かし京の胡麻和えを軽く焼き上げたもの。金胡麻黒胡麻を白川砂の砂粒に見立て、唐草模様で白川の流れを表している。熟練の職人が一枚一枚焼きあげた繊細なせんべいは、口に広がる胡麻の香ばしさと、サクサクとした食感がうれしい上品な甘さのお菓子である。

田丸弥本店は千利休ゆかりの名刹大徳寺の近く、閑静なたたずまいをのこす一角にあり、総二階の町家で「見せの間」に品物を並べ商う日本古来のお店の風情でのおもてなしに時の流れをつい忘れてしまいそう。
また堀川店では古都散策のひと休みに喫茶や軽食も楽しめる。

■京のおせん処 田丸弥
(本店)京都市北区紫竹東高縄町5 TEL.075-491-7371