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日本海に面し、豊かな漁場を抱える石川県。冬、海が荒れだすと味覚の王様「蟹」の季節の到来である。
「加能蟹」は、県内で水揚げされたオスのズワイガニを漁師が厳選、それぞれの漁港名を刻印した青タグを付けて市場へ送り出すブランド蟹で、漁期は3月20日まで。その太い脚には身がぎっしり詰まり、しっとり甘く、濃厚なミソは格別の味わいがある。少し小ぶりなメスは「香箱蟹」と呼ばれ、甲羅の中の内子の旨さは絶品である。漁期は12月29日まで。
金沢の奥座敷、辰口温泉にある《旅亭 萬葉》では、これからの時期、加能蟹を刺身、焼カニ、鍋、酢の物、雑炊など蟹づくしの懐石で、香箱蟹はボイルで内子、外子が堪能できる。
同宿は約2千坪の敷地に各々趣きの異なる全9室で、日本海、白山麓、加賀平野の地場食材の料理が味わえる静謐な“大人の隠れ家”である。
この冬は、極上のおもてなしと蟹を味わいにぜひ訪れてみては。
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