天保8年(1837)の創業、岡山城の大手門附近に店を構えたことから、藩侯にその名を賜ったという《大手饅頭伊部屋》が創製した、備前名物『大手まんぢゅう』である。

原料の小豆(あずき)は風味豊かな北海道産。米は古くから米所として知られる備前の米。砂糖は特注の糖度99.9%で雑味のない高級な白双糖。そして水は環境省選定の日本名水百選で名高い、岡山市「雄町の冷泉」と同系の水脈の地下水を使用する。

薄皮になる生地は、まず糀(こうじ)にもち米などを加えて甘酒に仕上げ、これに小麦粉を混合し発酵させて調整。丹念に練り上げた漉し餡(あん)をこの生地で薄く包み、蒸し上げる。甘酒の芳醇な香りとコクが餡の甘味と調和した、まろやかな味わいが特長である。

薄皮の白と餡の絶妙なコントラストが美しい一品は、そのままでも美味だが、この時期は冷やして頂くのもおすすめ。ぜひお試しを。


■大手饅頭伊部屋
岡山市北区京橋町8-2 
TEL.086-225-3836(代)