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大正6年（1917）創業、金沢《柴舟小出》の『柴舟』である。
古く加賀藩の頃から気軽に食べられていたせんべいを、二代目小出弘夫氏は戦後まもなく、旧来の製法を一新。高知産のしょうがや上質な砂糖から作られた蜜を沸騰させ、それを冷却して擂り、再び湯煎して溶かし蜜に戻したものを、小麦粉と砂糖で焼き上げた舟形のせんべい一枚一枚の表面に職人が刷毛で丁寧に化粧引きするという方法を考案した。
とても手間の掛かる方法であったが、これにより口当たりは軽く、色つやは美しさを増し、格式の高いお土産品として不動の地位を築いた。竹かご入りのほかに箱入、缶入なども揃う。
「柴舟」の名は、朝霞の中、柴を積んだ舟が川を下る姿から名づけられたという。うっすらと雪をはいたような白砂a糖の化粧引きの優美な姿に、ピリリと利いたしょうがの風味。菓子処金沢の洗練の味わいである。
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