信州松本の名湯、美ヶ原温泉。中でも《民芸のお宿 旅館すぎもと》は、最古の歴史を誇る。

木造三階建ての「松軒楼」は昭和初期の建造で、近く国の登録有形文化財として登録されることとなった。室内は重厚な柱や梁、松本民芸家具や骨董などが目を引く。掛け流しの「束間の温湯」は無色透明でなめらか。美肌と子宝の湯として名高い。

宿の料理「束間野会席」は、新鮮な旬の地元食材を生かした創作郷土料理で、季節の釜飯、馬刺し、岩魚のなめろう焼き、山菜天ぷら、キノコ鍋、館主手打ちの「ひきぐるみ十割蕎麦」(1日限定10枚)等、絶品が揃う。

表紙は地元長野のわらび、ウドふき、コゴミ、ユキササを配した山菜のおひたし。“春の皿には苦味を盛れ”のことわざ通り、ほろ苦い早春の味わいを館主おすすめの地酒とともに楽しみたい。

民芸のお宿 旅館 すぎもと
長野県松本市里山辺451-7  TEL.0263-32-3379