大阪に本店を構える《すし萬》は、承應2年(1653)の創業。看板商品である『小鯛雀鮨』は、上質な天然鯛、吟味を重ねた米、京都在来の醸造酢、北海道産の昆布等を用い、代々伝わる古法に則り調理。その伝統と味を守り続けている。
表紙の『鯖姿すし』も、同じ鯖のおしずし『柳鮨』とともに人気のお持ち帰りすし。ほど良い脂がのった鯖の半身を丸ごと使い、北海道産の黒板昆布で包んでいる。
三枚におろした鯖に塩を振り2時間置き、水洗いした後水分を取り去り、特製酢に10分ほど漬ける。引き上げてよく拭き、冷蔵庫で2日間寝かすと身が締まり、味が落ち着いてくる。骨を抜き、天身は尾の方に付け、酢飯と合わせ布巾で締める。これを甘酢に漬けた厚めの黒板昆布で包むことで、しっかりとした旨味が付いてくる。370余年の伝統から生まれる美味をぜひ一度。
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