明治5年(1872)、高松藩の藩士だった友人三人で創業したという香川県は高松の菓子舗《三友堂》。

茶人はじめ多くの人々に愛されている銘菓『木守』は、関東大震災で失われた千利休愛用の茶碗「木守」の復元を記念して作られたもので、讃岐和三盆糖で摺り砂糖した麩焼き煎餅に自家製柿ジャム入り羊羹をはさみ、木守茶碗の巴高台を模した渦巻模様を焼印したもの。

表紙の『木守柿』(きまもりがき)は、同じく柿を用いた特製の餡を、やわらかな求肥で包み、和三盆糖をまとわせた一品。

冬の季語でもある木守柿とは、柿の収穫時、翌年の豊作を願ってただひとつ木に残された柿の実のこと。枝に残された実は、鳥たちへ。冬を乗り切る貴重な食糧となる。自然の恵みを独り占めせず、分かち合おうという先人の想いも込められている。

まろやかな干し柿の風味と、コロンと愛らしい形が人気。濃厚なのでひと口サイズがお茶請けにちょうどよい。

■三友堂
香川県高松市片原町1-22

TEL.087-851-2258